しかし、まったくそうはならなかった。誰もいないんです。

ずっと向こうに壁の花になってはいますが、私がステージを下りて、体が寒くてうまく動かなかったこともあり、途中でコードにつまずきそうになりながらバラバラの拍手の中を出口までやっとの思いでたどり着いて一礼をしました。その時聞こえたのが「辞めないで!」ではなくて、「あれは、たぶんマッキよ」という女の人のひそひそ声だったのです。マッキ?末期?